懐かしい雑誌

久し振りに英語のテキストを見ようとしたら、その横から少し懐かしい
雑誌が現れました。書店で"メキシコ"という言葉がタイトルにあると、
雑誌であれ何であれ取り敢えずは手に取って中身をチェックする癖がある
のですが、この雑誌の場合"逃げる"という言葉にも反応してしまいました。
内容は、アシエンダを改造したリゾートを始め、ビールの銘柄、チレの種類、
お土産に適当な民芸品、代表的なメキシコ料理というようなごく普通のメキシコ
紹介なのですが、その中でやはり面白いと思ったのは、この雑誌の誌面でいうと
わずか4ページほどの部分、つまり"逃げる"の部分でした。
西部劇やギャング映画はもちろんのこと、ゲッタウェイ、ショウシャンクの空、
ターミネーターもそうだった、アメリカ映画にはメキシコに逃げるシーンが
お決まりのように出てきたものです。子供の頃からアメリカのホームドラマを
見て、実際には知らないアメリカをあたかも知っているような気分でしたが、
メキシコは全くベールに包まれたところでした。ましてやアメリカ人が追っ手
から逃れるために入っていくメキシコは、まさにブラックホールでした。
この雑誌にも書かれていますが、歴史的に見ても、レオン・トロツキーは、
ソ連からスターリンの粛清を逃れてメキシコへ入ったし、悪魔の辞典の
アンブローズ・ビアスもメキシコ革命時の最中に失踪したまま消息を絶った
というようなことがありました。
カルフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコそしてテキサスの4州は、
アメリカがメキシコから戦争で奪い取ったり、買い取ったりして編入した
領土ですが、アメリカも敢えてメキシコ全土を領土にすることはせず、
色々な意味で"逃げる"ための余地として残したのではないかと思えないこと
もありません。日々日本で過ごしてメキシコへ行くと、何とも言えない
"逃げた"感を味わうことができるのも事実です。今でもそういう感覚で
メキシコへ行く人は多いのではないでしょうか。

comment

⇒   byotto (URL)  at2009-12-19 12:22 X

僕はソノラの国境地帯の小さな町に10年も居たんで、本当に逃げてる人達がびっくりするほど沢山いるのを知ってます。 主にアメリカからですけどね。 僕もその一人だったりして。 第二の人生を見つけて、平穏に暮らしてる人も多いです。 

⇒   byTequilaMasa (URL)  at2009-12-19 20:33 X

> ottoさん
やっぱり映画だけの話じゃなくて、事実なんですね。
僕もサンディエゴ、エルパソ、ラレドなどメキシコ側から陸路で往来した経験がありますが、国境付近は独特な雰囲気がありますね。日本人旅行者の多くは、国境間際のメキシコ側を見て、メキシコをイメージしているようなので、内陸部は少し違う雰囲気がありますと言ってもなかなか理解してもらえません。でも、ティファナやシウダ・ファレスなどの町を見ると、アメリカから逃げ込めるようなイメージが正しい気がします。

⇒ わたしも  byカイマン (URL)  at2009-12-20 14:29 X

グレアム・グリンの「権力と栄光」のホセ神父も、どうしても国境を越えられず捕まってしまいますけど、メキシコには何かそういう魅力があるんでしょうね。私も逃げ込んでるのかもしれません。

⇒ Re: わたしも  byTequilaMasa (URL)  at2009-12-21 01:50 X

> カイマンさん
車でアメリカ側からメキシコ側へ入ったとき、寒流域から暖流域に入ったような、何か次元が違うほどの感覚がありますね。標識は英語からスペイン語に変わり、道路は整備されたフリーウェイから穴ぼこだらけの国道へ変わり、道端で目にするゴミの量も一気に増え、一旦入ってしまえば見つからないと思うのが普通の感覚だと思います。この"逃げた感"、日本でせせこましく生活している人達にも経験して欲しいものです。

⇒   byキリグア (URL)  at2009-12-21 21:22 X

ふ~ん、面白いですねえ。たしかにトロツキーもメキシコに逃げて、アメリカのバックアップのクーデターで追放されたアルベンス大統領も、そして最近はあの汚職代魔王のポルティーヨ前大統領もメキシコに逃げましたね。
メキシコに限らず、中米は”逃げる”には都合のいい場所なんでしょう。だから、日本の若い人たちもこちらにやってきて、”沈没”する・・・、これは完全な”逃げ”ですよね。そういう私も逃げてきたのでしょうが・・・。

⇒   byTequilaMasa (URL)  at2009-12-22 02:32 X

> キリグアさん
グァテマラには、日本の若者達が多く滞在しているのですか?メキシコへ行っても会うのは一部の日本人の友人を除いて殆どがメキシコ人の友人達なので、日本の若者達とあまり接する機会がありません。何か得るものを掴んでくれるといいのですが。
この記事にコメントを寄せてくださった中米在住の皆さんが、揃って"逃げてきたのかも"とおっしゃっているのが印象的です。日本に住んでいるときのストレスと、ラテンアメリカに住む場合のストレスでは、ちょっと質が違いますね。時間の流れ方に上手く乗れば、ラ米での生活は、なかなか素敵だと思います。

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Author:TequilaMasa
いつしかメキシコのハンドクラフトが人生の相棒になっていました。

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