メキシカンクラフトとパラダイム

このブログで長年付き合っていたテラコッタポットの工房が廃業したことを
話題にしたことがありましたが、実は10年来お付き合いさせていただいた
グアダラハラのタイル工房も廃業になって、今回新しくお付き合いが始まった
工房のシンクを見ながらいろいろと考えてしまいました。
かつてお付き合いさせていただいていたタイル工房の近くには、80年代の
後半から日本の自動車メーカーやアメリカを代表するIT産業のメーカーなど
が進出して、タイル工房では人手を確保するのが困難になったと常々聞いて
いたことを覚えています。
羅針盤や六分儀も今やGPSに、活版印刷さえもDTPに置き換わってしま
った昨今、メキシカンクラフトの衰退をただ感傷的に捉えていても仕方がな
いんだなという思いしかありません。
考えてみれば、"もはや戦後では無い"と言われた1956年に生まれた我々の
世代は、かなりオンタイムでパラダイムシフトを経験した世代ではないかと
いう気がします。紙芝居も白黒テレビも銀塩フィルムもデジタルメディアに
置き換わってしまったし、今や3Dメディアが普通になろうという時代です。
またたく間に存在していた産業が無くなり、全く新しい産業に置き換わると
いう時代。モーターカンパニーと言われた自動車メーカーでさえ、肝心のモー
ターが電動モーターに置き換わってしまえば、単に車体メーカーになってしま
うというような時代。さらにさらにパラダイムは、ドラスティックにスペイ
ン語で言えばドラスティコ-drastico-に変化していくのでしょう。



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⇒ 二律背反  byカイマン (URL)  at2010-06-06 06:58 X

当たり前のことですけど、メキシカンハンドクラフトが生き残るかどうかは価格競争力でしょうね。
つまるところ彼らの人件費がいつまで上がらないかじゃないでしょうか。

⇒ Re: 二律背反  byTequilaMasa (URL)  at2010-06-06 08:38 X

>カイマンさん
おっしゃるとおりで、既に価格競争力ではアジアに太刀打ちできないので、メキシコの国内市場はともかくとして、国際的には全く駄目です。10年ほど前から衰退が顕著になっています。数年前インドへクラフトの展示会に行ったのですが、かつてはメキシコへ買付けに行っていたスペイン人達が大勢いました。少し彼らと話をしたのですが、メキシコはもう高くて駄目だって言ってました。
加えて大きな要素として、まず工房や工場のオーナー取り分があります。職人達の人件費は比較的抑えられているように思いますが、作られた商品に上乗せされる額が大きいです。メキシコ社会の構造的な部分ですね。鉄や塗料など資材費の高騰もありますし、海上・陸上のコンテナの輸送費や諸経費が、貨物のコストから見ると大きな割合を占めてしまいます。高額な貨物ならともかく、クラフトのようなものを運ぶにしては輸送などに掛かるコストが、ときには商品コストより重要なことがあります。
日本でのメキシコのクラフトと言えば、脇役のさらにその脇役くらいな感じだと思います。
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Author:TequilaMasa
いつしかメキシコのハンドクラフトが人生の相棒になっていました。

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