もう見られないもの、聴けないもの、

あれは1985年の1月だったと思いますが、メキシコで仕事をしていた業界の展示会が
ニューヨークのマンハッタンにあるコンベンションセンターで開催されるということで
メキシコ人の同僚達と一緒に訪れたときのことです。ついでに訪れようとした南北戦争
の激戦地で有名なゲティスバーグにある工場へ移動するとき、突然に見舞われた大雪と
いうかドカ雪のためにフリーウェイで立往生してしまって、スラックスの裾をずぶ濡れ
にしながら、道なき道を歩いてやっと見つけたモーテルにチェックインし、暖炉の前で
体を温めながら仲間同士で生きていることを実感したものです。雪との格闘の連続を
乗り越えてマンハッタンに戻ってから、同行していたメキシコ人の顧問弁護士に夕食の後、
どこかへ出掛けようかと誘われ、それじゃジャズを聴きに行きましょうかということに
なって、いろいろ迷ったのですがスウィートベイジルでギル・エバンスのマンデイナイト
オーケストラを聴きにいくことにしました。業務で訪れた初めてのニューヨークだったの
ですが、個人的にはジャズを聴いたりマンハッタンを散歩することの方が明らかに
メインだったのです。この写真は、きっとその翌日のものだと思いますが、メキシコへ
戻る前にブロードウェイなど歩きながら散歩している様子です。お上りさんよろしく
自由の女神を見物しようかと言っていたのですが、ちょうど改修中とかで仕方なく
世界貿易センターの展望フロアに行くことになってしまいました。
このニューヨーク行きから数年後ギル・エバンスが逝ってしまったことを新聞で知り、
されにその後数年経って世界貿易センターが破壊され消え失せる様子を生なましく
テレビのニュース番組で見ました。初めて訪れたマンハッタンの想い出は、
もう記憶の中にしか存在しないと思うと本当に感慨深いものがあります。




comment

⇒ 永遠に残るもの  byカイマン (URL)  at2010-07-02 03:56 X

ニューヨークといえば、もう十年以上前になりますけど、息子の安アパートに一週間ほど潜り込んだことがあります。 そこは、地下鉄の駅から地上に出ると、低所得者アパート群のあるところで、テレビ、映画では見てましたけど、そこを通り過ぎるのが怖かったもんです。息子はその後帰国し、毎年一二度は行ってるのですけど、先日、最近のニューヨークはアフリカンが減り、失業者風の人も減って、面白くなくなってきたって言ってました。 町の活力ってそういう人たちが支えてるみたいなところがありますよね。 落ち着き払ったニューヨークなんて確かに面白くないでしょうね。 でも、世界の貧困がなくならない限り、あのアパート群は消えてしまうことはないんでしょうね。 幸か、不幸か、メキシコでそういう心配をする必要は当分ないでしょうけど。

⇒ Re: 永遠に残るもの  byTequilaMasa (URL)  at2010-07-02 21:06 X

> カイマンさん
あっ、ご子息は、ジャズミュージシャンでしたね。
マンハッタンを訪ねるなら歩きに限ります。99年に再度訪れたときもけっこう歩きました。
歩いていると煉瓦塀に鉄製の外梯子があるような典型的なマンハッタンのうらぶれた通りに迷いこんだりして、ちょっとした興奮を覚えた記憶があります。名市長さんの音頭で、地下鉄の落書きが無くなったり、NYも随分と綺麗になったと聞いています。魅力的な都市には、どこか"胡散臭い"ところがあると言われますが、そう言った点でもNYは、少し魅力が薄れてきているのかもしれませんね。

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Author:TequilaMasa
いつしかメキシコのハンドクラフトが人生の相棒になっていました。

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