技術の向上で失われるものも

ここはメキシコシティーのセントロ、いわゆる歴史地区と呼ばれているところです。
この辺り一帯には、石造りの古くて重厚な建物が軒を連ねています。
通りに面した建物の1階部分には、レストランやカフェテリアの他に有名ブランドも
含めて雑多なショップが入居しています。

このビルの1階部分には、めずらしくひさしが設置されていたのですが、
それを支持しているアイアンの造作がメキシコとは思えないほど優雅なもの
だったので、思わずシャッターを切りました。

綺麗に塗装されているので、比較的新しいもののように思ったのですが、
よく見ると、先端の細くなっている部分の部材がリベットで固定されています。
日本でも古い鉄橋などでリベットで部材を接合しているものがありますが、
あのリベットの頭が並んでいるアイアンの造作がたまらなく好きです。
溶接技術が向上してからというもの、リベット打ちによる接合がなくなって
しまって、リベットの頭が並んで現れる装飾効果のある産物が見られなく
なったことは、残念というか、寂しいというか、そんな感じです。

アイアンの造作については、工業技術の改良や革新によって、クラフト特有の
アートとしての要素て失われたものが他にもあります。粗悪な錬鉄を真っ赤に
焼いてハンマーでたたいて鍛えたロートアイアンの地肌、鉄特有の素材感が
滲み出てくる感じです。それが、製鋼技術の向上で丈夫な炭素鋼が製造される
ようになってきてからは、出来上がったH鋼を溶接して組み上げていくような、
よく例えられるのはエッフェル塔と東京タワーですが、結果として出来上がった
造作にも違いがはっきりと表れます。

東京タワーが醜いと言っているわけではけっしてありません。モダンな建築物
としての価値は充分にあるというのは周知の事実ですし。
ただただ、個人的に寂しい感じがするというだけのことなんです。

comment

⇒   byキリグア (URL)  at2011-02-12 02:36 X

へえ~!ずいぶんと古いものなんですね。
グアテマラシティの1区、歴史保存地区もこんな感じです。
アンティグアが外国人向けの安っぽい観光地になってしまい、鉄製品も古く見せた新しいもので、一見、素敵なんですけど、近づいてよく見ると、ちょっと・・・という感じで。さすがに一流のホテルは骨董品のアイアン・グッズをうまく取り入れていますけど。
それにしても鉄の魅力、尽きませんね!

⇒   byTequilaMasa (URL)  at2011-02-12 19:06 X

>キリグアさん
確認取ってないので分からないのですが、ひょっとするとこれも新しいものかも知れません。
日本は木の文化なので、少しアクセント程度の鉄があればとも思いますが、石の文化を持つ国ではアイアンがしっくりと馴染んでいて良いですね。
海外へ旅したときの楽しみとして、そういう国々では本物の鉄の造作を残しておいて欲しいです。見せ掛けだけを新しくするようなことはしないで、新しくてもいいので本物のロートアイアンを制作する職人さん達が仕事をし続けられるような環境があればいいのですが。

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Author:TequilaMasa
いつしかメキシコのハンドクラフトが人生の相棒になっていました。

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