あちらでもこちらでも

この写真は、神戸市の須磨海岸でツメタガイという肉食性の巻貝を採取調査
しているときの写真ですが、この写真で沖に見える船のさらに少し沖に見える
のが、地元では"沖の一文字"と呼ばれている離岸堤-りがんてい-です。

神戸市内のほとんどの砂浜は、人工的に養浜されたもので、神戸を代表する
須磨海岸も例外ではなく人工砂浜です。沖にある離岸堤は、砂浜の砂が波に
持っていかれないよう砂浜を護るために作られたのですが、そのことによって
環境が変わり、この海に住めなくなった生物があれば、新たに住めるように
なった生物があらわれたり、細々と暮らしていた生物が大コロニーを作って
繁栄したりと、一見波風がないように見える海ですが、その海のなかでは
いろいろと波風が立っているようです。



ツメタガイの調査を始めたのも、きっかけはここ数年アサリの漁獲が激減した
という漁業者からの報告があったからなのですが、実際10年くらい前までは
海岸でも潮干狩りの道具でアサリが取れた海ではありました。

離岸堤ができてからも長らくアサリは沢山獲れていたわけだし、それだけが
原因ではないらしいのですが、10日ほど前に定点で行われたミニ底引網に
よる採取調査ではトゲモミジガイというヒトデの仲間が数百個体が捕獲されて、
数多くの個体がアサリやホトトギスガイの稚貝を捕食していました。
水温が上がったために貝類を捕食するナルトビエイというエイの仲間も須磨の
海に出現するようになっていますし、アサリにとっては天敵だらけの海になって
しまっています。

多くの多様な生物が再生を繰り返すことができるような海にするにはどうすれば
いいか、もう既に人手が入ってしまっている海、山を削って作った団地群を無くす
こともできませんし、川のダムを壊すこともできません。人工の海をより良い人工
の海にするということぐらいしかやりようがないというのが現実的な対応のような
感じがしています。

超ローカルな話題でしたので恐縮ですが、国内を見ても海外を見ても、
あちらl立てればこちらが立たぬといったことばかりですし、それぞれの
ケースで当事者全ての想像と創造で未来を切り開いていくしかないような
気がします。

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Author:TequilaMasa
いつしかメキシコのハンドクラフトが人生の相棒になっていました。

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